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アンカー 1

「へ」の字型イントネーション 

JP説明.png

日本語の文章を読むときに、読みやすく、相手に伝わりやすくするにはコツがあります。

 

まずは、意味を考えながら、読みやすい長さに切ります。これを「フレージング」(句切り phrasing)と言います。フレージングはフレーズごとに分けることです。フレーズの長さは、短いものもあれば、長いものもあります。長いフレーズの後は長いポーズ(休止 pause)を置きます。

各フレーズは、自然に読むと、後半に行くほど段々下がる「へ」の字を描きます。

これがポイントです。

全体的に少しずつ下がる「へ」の字になるように発音すると、より自然な日本語に聞こえます。

疑問文では、最後に疑問のイントネーションが加わるので、文末で上がります。

「へ」の字の例 

例を見てください。Aは「青い」と「飲み物」を別々に読んでいます。Bは「青い飲み物」を一緒に読んでいます。Aは2つの句で「青い」と「飲み物」が同じ高さですが、Bは1つの句で「飲み物」は「青い」より低く発音されます。全体が「へ」の字のように見えます。

Bは、どんな飲み物かというと「青い飲み物です」という意味で言うときに現れます。

 

音声を聞いてみましょう。

への字downstep.png
A 青い、飲み物
B 青い飲み物

次の例を見てください。「このスープに豆が入っていますか」という質問に対して、Aは「このスープに豆は入っていません」を一つの句に読んでいます。全体が一つの「へ」の字になっています。Bは二つの句に読んだ場合です。「このスープに」と「豆は入っていません」はそれぞれ「へ」の字になっています。

 

音声を聞いてみましょう。

への字 declination.png
A このスープに豆は入っていません。
B このスープに、豆は入っていません。

次の例を見てください。Aは平叙文、Bは疑問文です。Aの最後は下がるので全体が「へ」の字になっています(平叙文イントネーション)。Bは全体的に下がっていますが、疑問文なので最後は上がります(疑問文イントネーション)。

音声を聞いてみましょう。

への字 intonation.png
A あした東京に行きます。
B あした東京に行きますか。

 朗読 

句ごとに「へ」の字になるように読んでいるか、次の文章を聞いてみましょう。

​​日本に来てからもう2年以上たちました。その間に色々なところに旅行しましたが、春休みに行った奈良と宮島と長崎がいちばん思い出に残っています。田舎の人たちは、外国人が日本語を話すとびっくりします。私が日本語を話したり、味噌汁が好きだと言うと、たいていの人は「日本語がしゃべれるの?それに味噌汁も飲むの?」と聞きます。それで私が「ええ、ねぎの味噌汁と納豆が大好きです。」と答えると、みんな目を丸くします。

上記の文章は『さらに進んだスピーチ・プレゼンのための日本語発音練習帳』(2013、ひつじ書房)から抜粋しました。一部原文と異なります。

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上記のピッチカーブの作成にはOJADの「スズキクン」を利用しました。

OJAD.png
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